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卒業論文や探究のレポートを書く際は、どのようなことに気をつければよいですか。また、章立て、構成などについても、アドバイスがあればお願いします。

卒業論文や探究のレポートは,いろんな流儀があると思います。ここで記すのは,一般的な,「科学的な見方や考え方」「探究の進め方」に準じた書き方となります。ご参考にしてください。(語尾が乱れているところや,である調になっていますが,ご了承ください。)

・論文を書く前に,本質を見極めること。
・パラメータリサーチをしないこと。装置の都合?お金がないから?それは研究の本質とは関係ない。なぜ,外乱を与えるのか。
・絶対に,文章から書き始めないこと。
・「言われている」 → 「報告されている[引用を!]」
・「イメージ」という言葉は使わないこと。
・「効果、「影響」、「関係」という言葉も使わないこと。
・事実は現在形。結果は過去形。
・図 1、式(1)、表1とする。
・2 mm,3 mm ← 全角のカンマにする。また,数字と単位の間は,半角スペースを入れる。数字の後ろの単位には,[ ]や( )は使わないこと。
・「なってくることがわかる。」 → 「なった。」 = 言い切る。「わかる」禁止。
・「図●に,~を示す。図●より,△は」 → 「図●に,~を示す。△は」」
・「図●に」 の後には、「,」をいれる。
・「章」と「節」の意味を間違えるな。
・「考えられる」,と記述するのは,妄想を書いているだけ。論文は,科学は,仮説をモデルを立てながら,客観的に実証,立証し,予測性を確認しながら,定式化,一般化,法則化することである。「考えられる」,は,逃げである。事実であれば,「である」,と言い切る事。「考えられる」を使わないように,自分の結果,他者の引用をして,立証すること!

・書き方は,相関図→ppt→抄録→本論文の順番。この順番を間違えると,遠回りし,論旨が分かりにくく,主張が無くなる。
・随時,仮説,問題解決のためのモデルへのフィードバックを意識すること。
・章節の導入と最後には、相関図を意識した記述を追加,読者の理解を助けるようにする。例えば、「~であればモデルを生か せるだろう,~の理由で(結果で),モデルは妥当であり問題解決ができるだろう」など。また,参考文献の引用は 1 章だけでなく,
考察の 4 章にも当然つける。>つけることができる文献を用意する。こうすることで、論理に客観性を持たせることができる。
・とにかく、ゼロベースで書き始めること。その後、過去の遺産を活用する。はじめから利用すると,まとまらなくなるし,オリジナリティがでない。
・「いつやるか」の精神にのっとり,早め早めにとりかかりること。後手に回ると倍返しされてしまい,つらくなる。

<目次>
【目次】 目次
【緒論】 社会背景,研究背景,研究の問題点,仮説を立て実証するためのモデル,目的
【2章】 実験方法,計算方法(モデルを明らかにするための手段としての記述。パラメータリサーチだけで止めない。)
【3章】 結果(横軸,縦軸,測定箇所,に関する図の説明を詳細に書く)
【4章】 考察(結果から導けるモデルの妥当性の検証と実証,仮説の立証を行う。結局,問題点は解決できたのか。)
【5章】 4章の考察から導き出されるモデルの改良とその検討をし,問題解決の達成のさらなる補完を行う。
【6章】 結論
【7章】 今後の課題(自分の研究の課題)
【参考文献】 参考文献(50~100 を用意する。)

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【目次】 目次

(1) 目次を書く。
(2) 節が2つであれば,節を入れる必要がない。

 

【緒論】 社会背景,研究背景,研究の問題点,仮説を立て実証するためのモデル,目的

<緒論では,背景から問題点,仮説と仮説を立証させるモデルを紹介し,目標と目的を示す。>

(1) 社会背景
(2) 研究背景(本質の提示と研究意義を述べる。パラメータリサーチではないことの宣言。「物理量」を比較検討する宣言)
→ 研究背景の記述後に研究(他者や先輩)の問題点をあげる。
→ 「研究が足りないんだ」「もっとやらないといけないんだ」ということを明確に記す。
(3) 問題点の提示(過去の他者,先輩の論文の問題点を浮き彫りにする。さらに自分の予備実験から,問題点,やるべき事を整理。)
→ 卒業論文や修士論文などでは,時間切れで,論旨を明確にするための論文になってしまうことも。研究の本質は,先輩方の一連の研究の流れや取り組みをみながら,総合的に判断しなければならない。学会論文,卒論,修論では,研究の流れの一部分になっている可能性が高い。したがって、10~15年の研究の流れを見て,新たにどのような問題点に対し,どのようにアプローチをしていくかを考えること。
(4) 仮説を立て,その仮説を実証するためのモデルの提示,その仮説とモデルに対する客観性と実証性の検証を行うことの宣言。この宣言が妥当であるかの宣言。
→ 問題解決のために仮説を立て、仮説を実証させるためのモデルを書く。ここで意識することは,「他者の「ここ」が足りないから,こういうモデルなら大丈夫である,それを確かめるのだ」とか「こういう理由で,このモデルであればこそ,その寄与を明らかにできるのだ」とか,「こういう考えで作成したモデルを用いて,~への寄与を明らかにすることで問題点を解決できるだろう」ということを意識して書く。
(5) 以上を鑑み,大きな目標,本論文の目的,具体的な方法の整理。本論文により,目的,目標が達成できるとの宣言。

 

【2章】 実験方法,計算方法(モデルを明らかにするための手段としての記述。パラメータリサーチだけで終わらない。)

<2 章では,この仮説を立証するためのモデル関し,どのように実験や計算(つまり,パラメータである外乱を与える,実験装置や計算方法を工夫する)するのか,という方法を示し~」と記述する。>

1章で上げたモデルを明らかにするための方法を書く。単純に実験装置や計算方法を述べるのではなく,「モデルを明らかにするための手段として」というスタンスで書くことが重要。最後の締めくくりには,「この方法なら,本モデルを確かめる実験(計算)ができるんだ」という記述をします。

【3章】 結果(横軸,縦軸,測定箇所,に関する図の説明を詳細に書く)

<3章は,あくまで、現場検証をする「結果」である。結果の理由の後付けにならないようにするためにも,3章は,現場検証による結果,原則として事実のみを記述する。モデルを実証するための外乱を与えた実験(計算)をし,計測(結果を得た)をしたことを述べる。また,この結果の不確かさや精度についても述べる。4章は,3章で述べた結果が事実としたときに,モデルの妥当性を客観的に実証し,仮説を立証するところである。なお,

 

(1) 結果を書く。
(2) 結果の図やプロットが何を表しているのか,測定(計算)位置はどこなのか,第3者がしっかりと理解できる記述を心がける。
(3) 4 章の考察とあえて分けることで,ごっちゃになることを防ぐ。
(4) あくまで、現場検証をする「結果」である。

 

(5) まずは図の意味を理解してもらわないと,考察の意味がない。

 

【4章】 考察(結果から導けるモデルの妥当性の検証と実証,仮説の立証を行う。結局,問題点は解決できたのか。)

(1) 考察を書く。
(2) 内容は,結果から導くモデルの妥当性の実証,仮説の立証を行う。
(3) 検討の後には,「どうやらこのモデルは正しそうだ」とか「モデルの内,この部分は得に正しそうだ」や「作成したモデル ABCの内,B がいっちばん良かった」といった表現を使うとよい。その後に,結局,問題点は解決できたのかの記述で書いて締めくくる。

 

【5章】 4章の考察から導き出されるモデルの改良とその検討をし,問題解決の達成のさらなる補完を行う。

 

[4 章]の考察の終わりまでに,研究の問題点が解決できたことの記述がなされていると思います(前回のメール参照)。
その後の 5 章には,4 章の考察から導き出されるモデルの改良とその検討をし,問題解決の達成のさらなる補完を行います。 つまり,1 章で作成したモデルを「モデル B」とすれば→5 章で新たに改良の「モデル B”(ダッシュ)」を作成して,実際に計算(実験)と検討を行い,モデルへのフィードバックを行う(モデルの正しさの証拠をさらに補う)ということです。
これは,[4 章]の考察で行ったモデルの妥当性の検討に対して,さらに[5 章]で視野を広げた考え方で再び補うことを意味します。

【6章】 結論

(1) 結論を述べる。
(2) [1 章~5 章]の内容を簡潔に「文章+箇条書き」まとめる。数値をあげても意味がない。
・結局,結果は,不確かさも問題なかったか。
・モデルが妥当であることを実証し,仮説を立証し,適用範囲,予測性,客観性も確認できたのか。
・その上で,定式化,一般化,法則化ができたか。以上を鑑み,目的,目標が達成できたのか。
・論文は,主張である。最後に,主張すること!
(3) もし提案があれば,最後に述べる。書き方のスタンスは,「4 章で明らかになったこのモデルが正しいのなら,こういうことが言えるのではないか」とか「モデルの発展(1 章で作成したモデル B→発展したモデル B”)が考えられるのではないか?」です。そして,社会にどう生かせるのか提案する。

 

【7章】 今後の課題(自分の研究の課題)

自分の研究の課題を挙げます。ここでは,自分の研究結果を否定してしまうネガティブな課題をあげないこと。あげるべき課題は,「~があれば(考慮すれば)より妥当性のある結果になるだろう」や,「~の検討も行えば自分の主張の論理性や説得性はもっと増すだろう」のように記述する。

 

【参考文献】 参考文献(50~100 を用意する。)

引用文献は,必ず 50~100 を引用してください。評価基準である,リサーチ力が問われます。

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参考までに,4章~5章の流れの例を示す。

<例 1>
4 章では,〇〇〇 に着目した(モデル B)結果と考察がなされ,問題解決の達成ができた。
5 章では,△△△に視野を広げて改良し(モデル B”),計算と考察を行う。
その結果,〇〇〇 は,やはりXXXXを支配する重要な因子であることが分かったし,その物理現象のモデルBはやっぱり正しいことが確かめられた。→問題解決の達成のさらなる補完ができた!

<例 2>
4 章では〇〇〇に着目した(モデル B)結果と考察がなされ,問題解決の達成ができた。
5 章では,△△△まで視野を広げて改良し(モデル B”)計算と考察を行う。
その結果,〇〇からのXXXモデルは,やはり考慮しなければならないことが分かったし,その物理現象のモデルBはやっぱり正しいことが確かめられた。→問題解決の達成のさらなる補完ができた!

※ 学会論文と流れが違う、と思うかもしれないが,結局は「結果及び検討」の章を細かく分化して,3 つの章([3 章][4 章][5 章])に分けただけである。

※ 学会論文では,3章と4章を混ぜて述べることも,よくやられる。1章も簡素化されることが多いが,やりすぎると論旨がわからなくなるので,注意すること。

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