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変電所の役割を教えてください。

変電所とは、電気の電圧を上げたり下げたりする場所で、変圧器によって電圧を上げ下げします。通常の発電所にある発電機は、もともと電圧は低く電流が大きい電気を作っています。しかし、電流が大きいまま遠くに送ろうとすると、電線にジュール熱が発生してしまい、電線が熱くなり、熱の損失(ロス)が生じてしまいます。(電線が暖房になり、地球を暖めてしまうイメージでしょうか。)

これを防ぐために、電圧を高くする(高電圧化)します。電圧を高くすると、電力は、電圧と電流の掛け算ですから、送ることができる電力も大きくなるということです。逆に言えば、ジュール熱が生じないため、熱の損失が防げるわけです。

さて、発電所の発電機の電圧を変圧器で上げ、高電圧にします。高電圧にした電気は、送電線を通り運ばれます。その後、電気を使う工場や私たちの手元まで電気が送られてくる度に、電圧を変圧器で下げながら、電流を上げます。電流は上がりますが、その電流は、みんなで分けて使いますから、電圧を下げた後の総電流は大きくなりますが、個々の配線に流れる電流は小さくなります。モーターを回したり、照明をつけたり、パソコンを使ったりするためには、電流が必要ですから、この電流をうまく取り出し、分けることが大切です。このため、電気を効率よく運ぶために、だんだん電圧を下げていきます。

このため、変電所は、電力ネットワークにおける鍵となる施設であり、効率良く電気を送るための施設です。また、雷や事故など、想定以上の電流が流れたりした場合は、各機器の故障や人的被害を起こさないために、遮断器というスイッチが働かせることもあります。遮断器が動作したときに、別ルートから瞬時に電気を供給できれば良いのですが、別ルートからの供給が間に合わない場合は、停電になってしまうことがあります。

この瞬時の切り替えは、ただタイミングよく切り替えればよいだけではなく、需要と供給のバランスをとりながら、つまり、電圧と周波数を安定に保ちながら切り替えなければなりませんので、高度なテクニックが必要です。これがうまくいかないと、電圧や周波数が安定にならなくなり、機器の故障や人的被害が生じてしまう可能性がありますので、自動的に遮断器が動作し停電範囲を広げ、電圧や周波数を一定にしようと努力します。

一度停電が起きてしまうと、遮断器を徐々にONにし復旧させる必要があります。そうしないと、また、電圧と周波数が安定にならず、遮断器が自動的にOFFになってしまうからです。

水力、火力、原子力などの回転数は、周波数を一定にするために、決まった範囲の回転をさせて、電気を作っています。ここで、事故などで遮断器が動作したり、人々が電気を急に使ったりすると、電圧と周波数が一定にならなくなります。このような状況になると、発電機は、減速脱調や加速脱調といって、発電のタイミングと回転のタイミングが合わなくなるような感じです。自転車に乗っていたときに、急な坂道を降りたり上ったりするときに、自転車の車輪の回転と足の回転が合わないといいますか、足の回転が空回りというか速度が一定にできない状態が起きますよね。そんな感じです。

タービンを回すエネルギー(機械的入力)は、発電機の発生電力(電気的出力) と同じにならなければなりませんが、これが崩れてしまうという感じですね。こうなってしまうと、回転しすぎたり、変な負荷がかかったりしてしまい発電機が壊れてしまいますので、発電機を系統(電力ネットワーク)から切り離し、停止させなければなりません。

そのほか、変電所は、変圧器、避雷器、無効電力を調整する装置、計器用変成器(計器用変圧器、計器用変流器)、断路器などもあります。

電気を送るのには、絶対に欠かせない場所です。

ちなみに、開閉所というのもあります。基本的に、変圧器はなく、遮断器だけがあり、事故の際に、系統を切り離すために置かれます。

ここで、電圧を上げたり下げたりできる変圧器について説明します。変圧器の一次側と二次側の電圧と電流は、逆比の関係になります。電圧を下げれば電流が大きくなり、電流が小さくなれば電圧が大きくなります。この時、エネルギーは保存されまます。もちろん、銅損(導体の抵抗により消費される電力損失で、いわゆるジュール熱のことです。)や鉄損(鉄心部分で生じる損失で、鉄心の磁界の方向が変わることでエネルギーが損失するヒステリシス損と、磁界の方向が変化したときに鉄心内部に電流が流れ熱となる渦電流損からなります。)がありますので、電圧と電流の変換が100%の比で変換されるわけではありません。

ちなみに、高電圧を流れている電線と地面の間は、距離が離れていなくてはなりません。この理由として、空気の絶縁破壊という現象を説明します。

高電圧になればなるほど、地面との間の電界が高くなり、空気の中にある電子が電界から力を受け加速する(エネルギーをもらう)します。電子が加速しエネルギーをもらうと、空気中の酸素や窒素に衝突することになり、弾性衝突したり、非弾性衝突したりします。弾性衝突であれば、エネルギーの授受は起きません。しかし、非弾性衝突をすると、エネルギーの授受が起きてしまいます。

この時、酸素や窒素の中にある電子は、弾性衝突の場合、エネルギーの授受がないため励起しませんが、非弾性衝突の場合は、エネルギーの授受があるため励起できるエネルギーをもらえれば、励起することができます。また、もっとエネルギーをもらい、原子核と電子との間のクーロン力の束縛を超えれば、電離といって、酸素や窒素から電子が外に飛び出す現象が起きます。この時、酸素や窒素は、電子が1つなくなりますから、イオンになります。

この現象(α作用とも言います)が、繰り返し起きることを電子なだれ(雪崩)といいます。電子なだれが、たくさん起きると、電子が多くなります。この電子たちが陽極に飛んでいけば、バチっと放電が起きることになります。これが、空気の絶縁破壊です。

また、この時発生したイオンはプラスですから、陰極側に進み陽極に衝突してイオンが持つ運動エネルギーや内部エネルギー(イオンの中の電子が励起していれば起きます)を陽極に与え、陽極から電子を放出するエネルギーが与えられれば、陽極から電子が出てきます。この現象をγ作用とも言います。

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