地球は自転しています。そして、地球は、球体です。
この時の円周(円の周長)を考えると、赤道は長いですよね。日本や北極に行くほど、短くなりますよね。
ここで、赤道から人がボールを投げるとします。投げた人は、赤道上にいますので、日本や北極より円周が長いところにいます。
同じ経線上で考えると、投げたボールが日本に到達するまでの時間に、円周が短いけれども経線が同じところに動きますから、移動距離は短いのですが、次のところにパット移る感じになります。
違う見方で説明しましょう。もし、地球が平らで、緯度が変わっても、つまり、赤道でも日本でも北極でも、同じ円周(周長)であれば、投げたボールは、そのまま同じ経線上にそって動きますね。(地球が平らであるということは、球体ではないことになるところは、注意です。)
でも、今考えているのは、日本や北極では、円周が小さくなるということです。
したがって、赤道から投げたボールが日本に届く間に、日本は、ずっと東にいってしまうことになります。赤道から日本に向かって真っすぐ投げたボールですから、まっすぐ投げたはずのボールですから、右側に曲げられ日本の方へボールが向かっていくわけです。
逆に、日本から赤道に向かってボールを投げましょう。日本から赤道まで届く時間がかかりますが、日本の方が早く東に動いてしまいますから、赤道に届くときには、日本の経線のところまで来ていないことになります。したがって、日本から赤道にに向かって真っすぐ投げたボールですから、まっすぐ投げたはずのボールですから、右側に曲げられ西の方へボールが向かっていくわけです。
このため、北緯30度近辺から赤道へは、西に向かって吹く、つまり、東風が吹くことになります。これを貿易風といいます。
逆に、北緯35〜65度の地域だと、西から東に向かって吹く、つまり、西風が吹くことになります。これを偏西風といいます。
貿易風も偏西風も、1年を通して、恒常的に吹く風ですので、恒常風といいます。
季節風は、夏は海から陸へ、冬は陸から海へ、のように、季節によって風向きが変わる風のことを言います。
なお、風の向きは、転向力(コリオリの力)によって決まりますが、なぜ、その地域から風が湧き出すのかは、大気大循環によります。
風は、基本的には、高気圧から低気圧に向かって吹きます。例えば、北回帰線(地球の表面の緯度23度26分の所に赤道と平行に引いた線。北半球は北回帰線、南半球は南回帰線。北回帰線は夏至に、南回帰線は冬至に、太陽の南中高度(太陽が真南にきて、いちばん高く上がったときの地平線との間の角度)が90度になる。)となります。
例えば、北回帰線のあたりは、亜熱帯高圧帯があります。ここから、北の亜寒帯低圧帯の方へ南風を送り、南の赤道低圧帯に向かって北風を送ります。この南風(偏西風)は、右に曲がりますし、北風(貿易風)は西に曲がります。
この分布によって、風の流れが決まります。このような動きを大気大循環といいます。また、風により、海の表層の流れが決まり、さらに深海の流れも決まっていきます。これを海洋大循環といいます。これらにより、水蒸気の上昇も決まってきますので、気象が変わっていくことになります。
いずれにせよ、エネルギーは保存されますし、太陽の活動により、気圧も、風の流れも、水の流れも決まってきます。このことを十分理解して上で、気候変動や再生可能エネルギーの利用などを考えていかなければなりません。
また、これらは、エルニーニョ現象やラニーニャ現象を考えるうえでも、非常に重要になります。
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