逆転層とは、通常、高度が高くなればなるほど気温が低下するが、気温が低下せず上昇する層のことを言います。つまり、通常とは、温度が逆転することです。
通常、高温の大気は、低密度のため上昇します。しかし、逆転層があると、温度が高い層(空気塊。低密度)が上空にあるため、その温度より低い層(空気塊)は上昇ができません。(対流が起きない)
このため、逆転層があると、上昇できず、濃霧になったり、排ガスなどのスモッグがたまり、健康被害が起きることもあります。
逆転層があると、空気が閉じ込められる感じになるので、遠くの音が大きく聞こえたり、電波の反射などの異常が生じたり、蜃気楼が起きたりします。
逆転層が、急になくなると、急激な上昇きりゅが発生することになりますので、雲が発達して、激しい雷雨が起きることもあります。
逆転層の種類は、以下があります。
- 接地逆転層: 放射冷却で地表面温度が低下した時に生じます。
- 移流逆転層:冷えた地表や海面の上に、温かい空気が流れ込んだ時に生じます。
- 沈降逆転層: 高気圧では下降気流が生じますが、その時に断熱圧縮(膨張していた空気塊が圧縮します。この際、内部エネルギー(潜熱)を放出することになるので、この空気塊の温度は周りの空気より上昇します。)が生じます。このため、2000 m ぐらいの高度では、逆転層が生じます。
- 前線性逆転層:前線では、その性質から上空の気温が高くなるため生じます
逆転層から、さらに上空になると、空気塊が膨張していきます。この結果、温度が低下します。そのうちに、周りの空気と同じ温度になることがあります。こうなると、これ以上、空気塊は上昇することができなくなります。したがって、これ以上、雲も生じなくなります。
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