Yasuhide YUKIKA - 如花 康秀

1.大学時代 (2) 電流の絆

春の新緑がキャンパスを彩る中、さくらはデジタル探究科学部での最初の授業に足を踏み入れた。教室には、同じく新しい世界への一歩を踏み出そうとする学生たちが集まっていた。皆、期待と不安が入り混じる独特の空気を共有している。さくらも例外ではなく、彼女の心は高鳴りと同時に、未知への緊張感でいっぱいだった。

教室の前方に立つ教授が、静かに話し始める。「皆さん、デジタル探究科学部へようこそ。ここでは、デジタル技術を通じて、社会に貢献する方法を一緒に学んでいきましょう。」

授業のテーマは「回路方程式の基礎」だった。さくらはノートを開き、教授の言葉を一言一句逃さぬよう、熱心にメモを取り始める。カットセットの概念、キルヒホッフの法則…これまで聞いたこともない用語が飛び交う。しかし、教授の言葉を追ううちに、さくらは電気が回路を通じて流れる様子を、まるで生き物のように感じ始めた。

「電気回路とは、電流が流れる道筋です。この道筋を理解することが、私たちの学びの出発点となります。」教授の言葉に、さくらは頷きながら、回路図に目を落とす。複雑に絡み合う線の中で、電流がどのように流れ、エネルギーがどのように変換されるのかを想像する。それはまるで、未知の森を探検するかのようなワクワク感に満ちていた。

教室の隣の席に座る女の子が、さくらに話しかけてきた。「電流の流れ、なんだか不思議だよね。」彼女の名前はあやか。彼女もまた、デジタルの世界に興味を持ち、多くを学ぼうとしていた一人だ。二人はすぐに意気投合し、回路の問題を一緒に解き始める。難解な問題に直面するたびに、二人の間には新しい絆が芽生えていった。

さくらは、キルヒホッフの法則を用いて、ある回路の電流と電圧を計算する問題に挑戦する。最初は手こずったものの、あやかと協力して問題の解決に取り組む中で、さくらは徐々に法則の本質を理解し始める。電流の保存とエネルギーのバランスが、回路設計の根本にあることを学んだ瞬間、さくらの目は輝いた。

「電気は見えないけど、こんなにも美しい法則で結ばれているんだね。」さくらは心の中でつぶやいた。カットセットとキルヒホッフの法則を通じて、電気回路の背後にある論理の美しさに触れることができたのだ。この日学んだことは、さくらにとってただの知識以上のものだった。それは、見えないものを理解し、形にする力。それこそが、デジタル技術の真髄であり、彼女がこれから探究していく世界の基礎であることを、さくらは深く実感した。

授業が終わり、キャンパスを歩きながら、さくらとあやかはこの日の学びについて語り合った。二人の間には、共に学び、成長することへの期待で満ちた空気が流れていた。新しい友情が芽生え、未来への軌跡が始まった瞬間だった。

さくらは家に帰る道すがら、空を見上げた。夕暮れ時の空には、桜の花びらが舞い、まるでさくら自身の心の動きを映し出しているかのようだった。新たな知識が心に灯され、新しい友達との出会いがあり、未来への希望がふくらむ。今日一日で感じたことすべてが、さくらの中で美しい調和を成していた。

ーーー

『未来への軌跡:桜花探究記』のこの章は、さくらの学びの旅の第一歩を描き出しています。電気回路の基本原理から始まり、デジタル技術の奥深さに触れ、新しい友情と共に、さくらの未来への道が少しずつ明らかになっていく。彼女の物語はこれからも続き、学びと成長の道を歩んでいく。

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