グッド・アンサー

1.高校時代 (26) 町を守る

カフェについたら、今日はいつもと様子が違った。マスターと四人のお客さんがカウンターに座っていた。五人とも同じ年齢なようだった。

「マスター、こんにちは」

「いらっしゃい。ホットでいいかい」

「はい。お願いします」

いつものように会話をした。

ただし、いつものカウンターは座れなかったので、ボックスシートの方に座った。

「はい、お待たせ。あ、ちょうどいい、紹介しよう。彼は、哲也君。高校2年生」

「はじめまして」

「哲也くんから見て、左から、石水さん、田中さん、井上さん、古川さん」

「よろしくお願いします」

この町に来てから、マスター、長老に続き、3名の大人の方と知り合うことができた。

「皆さんは、お友達ですか」

「幼馴染だよ。僕らも、海浜高校出身だよ」

「あ、先輩なんですね!」

僕はなんとなく安心した

マスターが三人の仕事を紹介してくれた。

「石水さんはお医者さん、田中さんは工場の社長、井上さんは電力会社、古川さんは都心の超有名会社を退職して漁師、そして、マスターはカフェ経営をしているんだよ。」

僕は、へぇー、と言い、皆さん、立派なお仕事をされているのでですね、と話した。

皆さん、幸せそうな、楽しい人生を重視しているような雰囲気で、優しそうな人ばかりだった。

僕は、いきなりではあるが、2つのことを聞いてみたかったので、尋ねた。

「僕は、今高校2年生なのですが、将来の進路に迷っています。やりたいことが、見つからなくて。。。皆さんは、どうして今の仕事についたのですか。将来の夢だったんですか。たまたまですか。」

四人は、僕に笑顔を向けてきた。

「もう一つ、町の雷伝説について、なにか知っていることはありませんか。」

「四人は、顔を見合わせ、また、笑顔で、僕を見つめてきた。」

「哲也君は、いろいろなことに興味を持っているんだねえ。好奇心旺盛で、なんでも知りたがっちゃうタイプかな」

井上さんから話しかけられた。

「そうですね、悩んでいるのも、あれこれ考えたり、色んなお話や経験をしてきたりして、なんでもやってみたくなるのですが、それが上達できるのかな、続けられるかな、向いてるのかな、将来につながるのかな、なんてことを考えてしまって、先に進まないんです」

僕は、そう答えた。漁師の古川さんから、

「石橋を叩いて、壊しちゃって、渡れないタイプ?」

と聞かれた。今までの自分をズバリ言い当てられてしまって、驚いた。僕は、はい、とこたえるしかなかった。

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