グッド・アンサー

1 高校時代 (11) 転機

休日の学校を後にし、坂道を下って国道から、いつものカフェで過ごすことにした。

今日も、カフェは開いていたが、もちろん、いつもの通り、お客は誰もいなかった。ただ、今日は、マスターは不在で、さやかだけだった。

「さやかちゃん、おはよー。今日は、マスターいないんだね。えっと、アイスコーヒーをください。なんだか、のどが渇いちゃった」

「哲也君、なんか汗かいてるね。どうかしたの?はい、アイスコーヒー」

僕は、アイスコーヒーを半分まで一気に飲んで、気持ちを落ち着かせた。

「いや、何にもないよ。何でもない。」

僕は、不良グループのリーダーでもあるさやかに、あの出来事を知られたくなかったし、知られたら格好悪いと思った。

「さやかちゃんは、今日もバイトなんだね。」

「マスターが用事で、街まで出ちゃったから。」

この町は、かつて住んでいた僕の村よりは発展しているが、やはり、必要なものは街まで行かないと手に入らないのは間違いないことだった。

「どう?この町に慣れた?」

さやかは、そう聞いてきた。

「うん。まだわからないことだらけだけどね。でも、このカフェのおかげで、居場所はある感じかな」

そう言って、アイスコーヒーのストローを手に取った。

「今日、学校に行ったら、実力試験の結果が貼ってあったよ。さやかちゃん、成績いいんだね」

僕は、そう言って、さやかを見た。

「いやいや、たまたまだよ。そんなに勉強に興味ないしね」

さやかは、そう言いながら、照れ臭そうに笑みを浮かべた。

「カランコロン」

「あ、お客さんだ。いらっしゃい」

「こんにちはー。さやか先輩!あ、哲也先輩もいたんですねー」

元気な美紀ちゃんの明るい声だった。

 

© 如花 康秀 2023-

1 高校時代編
(1) 出会い
(2) 引っ越し
(3) 再会
(4) 初登校
(5) 不良のリーダー
(6) カフェ
(7) 実力試験
(8) ゴールデンウイーク
(9) 気づき
(10) 並木通り
(11) 転機
(12) 友達
(13) 新しい生活
(14) 翌日から
(15) 体育祭

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