グッド・アンサー

1 高校時代 (14) 翌日から

翌日、学校に行くのが怖かった。

また仕返しをされるかもしれない。もしくは、変な噂が広まっているかもしれない。

でも、勇気を出して、朝、登校した。なんだか、みんなが僕を避けている気がして、いや、それは気のせいではなく、避けていたんだと思う。

生徒のうわさでは、僕が喧嘩に負けたことになっているようだった。不良グループも、まさか僕に負けたとは言えず、打ち負かしたという武勇伝を話しているようだった。

僕は、怪我もしていないが、生徒は、それを信じているようで、僕に話しかけてくる生徒は皆無だった。

でも、それでよかった。これで、僕を攻撃してくることもないだろう。そう思ったら、気が楽になった。

放課後、坂道は何事もなく下ることができ、いつものカフェに行った。

マスターは、僕を温かく迎えてくれた。おそらく、町中で、僕は噂になっているのかもしれない。小さい町だし、よそ者の洗礼ということで、みんな慣れているのかもしれない。

その後、さやかと美紀もカフェに合流した。二人とも、普通通り接してくれた。それが、とてもうれしかった。

帰り道、美紀が、一緒に帰ろうと誘ってくれた。よく考えたら、家の方向が同じなのに、一度も一緒に帰ったことがなかった。

帰り道、美紀が恐る恐る重い口をひらいた。

「昨日は大丈夫だった?」

「え?あ、ごめん、ありがとう。何にもなかったよ。」

「ならよかった!やっぱり、哲也先輩は、強いんですね!」

美紀は、安心したような顔で、そして、少し、尊敬のまなざしを向けた

「そんなことないよ。僕は、力もなにもないから」

そう言って、僕は無理に笑った。

なにがなんだか、よくわからないことだらけだけど、とにかく、マスターと二人のやさしさを感じることができ、感謝する一日となった。

 

© 如花 康秀 2023-

1 高校時代編
(1) 出会い
(2) 引っ越し
(3) 再会
(4) 初登校
(5) 不良のリーダー
(6) カフェ
(7) 実力試験
(8) ゴールデンウイーク
(9) 気づき
(10) 並木通り
(11) 転機
(12) 友達
(13) 新しい生活
(14) 翌日から
(15) 体育祭

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