グッド・アンサー

1 高校時代 (18) 待ち人

今日は、朝から体調が悪く、学校を休むことにした。

梅雨に入り、毎日、どんよりしており、蒸し暑く、夜も良く寝れない日々が続いていた。

布団の中で、この町に来てからのことを思い出していた。様々なことが走馬灯のように頭を過ぎていった。

その中で、まだ解決できていない、気がかりなことがあった。さやかが探している人は、どんな人なんだろう。

僕は、それが気になり始めていた。大切な人という話だった。初恋の人?だったのかもしれない。

そして、なぜ、あのカフェで待ち続けているのか、その理由も、わからなかった。

頭がくらくらし、熱が39度になっていた。体がとても重く、動くこともできないぐらいだった。

薬のせいか、睡魔が襲ってきて、深い眠りについていった。

5年前のあの娘が夢に出てきた。よく考えたら、あの娘はどうしたんだろう。レジで見た元気な姿、神社での出来事、あの時、怪我はなかったのだろうか。当時の情景が夢になって出てきては消えていった。

ふと、目を覚ますと、あの時のあの娘は今の美紀に雰囲気が似ている事に気がついた。もしかして。いや、そんなはずはない。もしそうなら、それはそれで、すごいつながりだな、と思った。

一方で、さやかはというと、ロングヘアーで、大人びた雰囲気だった。元気、というよりは、落ち着いた大人という感じだ。

そんな、さやかなんだから、きっと、イケメンの優しくて頼りがいのある人間を待ち続けているのだろう、そんなふうに考えた。

この町に来て、もうすぐ高2の夏。そろそろ、将来を決めないとな、そんなことも頭をよぎり、ぐちゃぐちゃになっていた。

昼は、母がりんごをすってくれ、それを食べた。熱のときは、りんごが最高のごちそうだ。

熱は相変わらず下がらず、次の日も次の日も、学校を休んだ。土日をはさみ、来週には、なんとか復帰しなきゃ、と焦りばかりが出てきていて、あまり、精神状態は良くなかった。

スマホも携帯もない時代。誰にも連絡が取れず、孤独な時間を過ごしていた。マスターやあの二人はどうしてるのかな、なんてことが頭をよぎっては、消えていった。

僕の体調は良くならず、両親の仕事の都合もあり、僕は、町の病院に入院することになった。土曜日からの急な入院ということで、慌ただしかった。町の病院は、隣の駅にあり、タクシーで向かい、手続き後、即入院となった。

病院は、四人部屋だったが、たまたま、僕一人しかいなかった。窓際のベットがあてがわれ、外を眺めながら、療養生活が始まった。熱は、38度台で、咳や喉の痛みがひどかった。薬や点滴を受けながら、自然治癒を目指す感じだった。

看護師の皆さんは優しく、いろんな世話をしてくれた。ただ、声を出すのがつらく、世間話をする余裕は、当面なかった。

 

© 如花 康秀 2023-

1 高校時代編
(1) 出会い
(2) 引っ越し
(3) 再会
(4) 初登校
(5) 不良のリーダー
(6) カフェ
(7) 実力試験
(8) ゴールデンウイーク
(9) 気づき
(10) 並木通り
(11) 転機
(12) 友達
(13) 新しい生活
(14) 翌日から
(15) 体育祭
(16) 梅雨
(17) 踏切
(18) 待ち人

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