グッド・アンサー

1 高校時代 (5) 不良のリーダー

あ、そういえば、さやかは、同じクラスだったんだ。どこにいるんだろう。

窓際で、外を見ているさやかを見つけた。授業には関心がないようで、外ばかりみているようだった。

そして、先生が、さやかを注意した。

「外ばかり見てないで、集中しろ」

一瞬、さやかは、先生を見たが、シカトし、また、外を見ている。

先生は、それがいつものことだとあきらめているようで、また、授業を進めている。

チャイムがなり、下校の時間となった。

まだ、初日ということもあって、友達と一緒に帰る人がいるわけもなく、部活もまだ入ってもいないので、とりあえず、帰ることにした。しかし、帰る前に、高校を一度、ぐるぐるまわろうと思い、木造2階建ての校舎を回ってみた。各学年2クラスなので6教室あり、理科室や視聴覚室、音楽室、図工室、職員室などをみてまわった。また、グランドや体育館もみてみた。テニスコートやバレーコート、野球場やサッカーコートもあり、歴史を感じさせ、海風もあり、風情ある建物に仕上がっていることを感じた。

この高校という舞台で、さまざまな出会い、出来事があったんだろうな、と感慨深く考えていた。

ちょうど、サッカーコートと校舎の間には、銀杏並木があり、サッカーコートと校舎の間は緩やかな坂道となっていた。その坂道を降りると、海沿いの国道につながるところである。

その坂道で、10名ぐらいの男女の集団がたむろしていた。

その中心にいたのは、女子生徒だった、他の生徒は、目を付けられないように、うまく素通りするか、挨拶をして去るかしていて、高校を代表する不良グループの集まり、といった感じだった。

初登校の僕にとっては、ある意味、関所のようなところであった。別の抜け道から帰ることができたかもしれないが、すでに坂道を下っているため、変に逆に進むのはおかしいことはあきらかだった。覚悟を決め、坂道を降りて行って。

案の定、ある男子生徒から、声をかけられた。

「しらねー顔だな。何年の何組だ?」

やばい、とおもいつつも、なにも悪いことはしていないわけで、

「2年B組の哲也といいます。今日から転校してきました。よろしくお願いします。」

と伝え、通り抜けようとした。

しかし、そうは問屋は下ろさず、複数の男子生徒に取り囲まれてしまった。

その時、リーダーの女子生徒の声が聞こえた。

「そこまで。放してやりな。」

取り囲んだ男子生徒は、僕から離れ、元の場所に戻っていった。

「新入り、おまえ、今日は許してやるけど、自分から挨拶しなきゃだめだぞ。」

リーダーである女子生徒は、僕に向かって、そう話した。

聞き覚えのある声、しかし、命令口調。その女子生徒の雰囲気。

そう、そのリーダーは、さやかであった。僕は、びっくりして謝罪し、坂道を転がるよう、国道の方に向かって全力で走った。

© 如花 康秀 2023-

1 高校時代編
(1) 出会い
(2) 引っ越し
(3) 再会
(4) 初登校
(5) 不良のリーダー
(6) カフェ
(7) 実力試験
(8) ゴールデンウイーク

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