翌日、僕は、初めての転校した高校に登校した。2年B組だった。
もちろん、勉強ができない、でくの坊の僕ではあったが、今までの生きざまがリセットできる、ということで、再起が図れる気がしていた。
周りのクラスメートも、温かく迎えてくれた。私も、できるだけクラスメートに迷惑をかけないように、仮面をかぶりながらも、仮面の下の内面も充実させ成長させようと心に決めて過ごそうと思った。
午前の授業が終わり、昼休み。まだ、仲間もいない僕は、昼食に誘われることはなく、一人で購買に行き、パンを買って、屋上でパンを食べていた。海の近くのこの学校は、4月でも、心地よい風、日差しがあり、あいかわらずの海風も気持ちよく、昔、岩場で寝ていたように、屋上でも一人で、目をつぶっていた。
「こんなところで寝ているの?」
聞き覚えのある声が聞こえた。
目をあけると、そこには、さやかがいた。
「え、同じ学校なの?」
「そうよ。2年B組。よろしくね。」
「あれ、さっき授業いたっけ?」
「あ、午前中は、さ・ぼ・り」
僕は、正直、びっくりした。確かに、この小さな町には、高校は1つしかないから、偶然ではなく必然だったかもしれない。
「ほら、チャイムがなったよ、早く、教室に行こっ」
彼女は、そう言って、屋上の階段の方に向かっていった。僕も後を追った。
午後の授業は、睡魔との闘いである。僕は、先生が何を言っているか、難しすぎてよくわからないのもあるが、だんだん記憶が薄れてきた。
© 如花 康秀 2023-
1 高校時代編
(1) 出会い
(2) 引っ越し
(3) 再会
(4) 初登校
(5) 不良のリーダー
(6) カフェ
(7) 実力試験
(8) ゴールデンウイーク
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