Society 6.0が奏でるウェルビーイングな社会構築に向けた「ひと・もの・くらし・エネルギー」の全体最適化と個別最適化

本日は、Society 6.0が奏でる、ウェルビーイングな社会構築に向けた「ひと・もの・くらし・エネルギー」の全体最適化と個別最適化に関し、お話をします。

私は、都市・街・暮らしのための研究を行っています。その中で、今回はsociety6.0やウェルビーイング、ひと・もの・暮らし・エネルギー。こんなことをどうやって都市や生活に当てはめていくのか、その中で全体最適化と個別最適化をどう奏ででいくのかを、お話ししたいと思います。

現在、私は、エネルギー・環境・生活経済の、いわゆるトリレンマ問題に対して、どういう解を出していけばよいのかを考えています。これを考えるにあたり、DXやGX、SXをしていくことだと思いますが、より具体的なターゲットとしては、電力、水、食、医療、防災、交通を、人に優しいデジタルの力で最適化することだと考えています。もう一つは、ラストワンマイルの問題があります。宅配、配電、鉄道、電気自動車もそうですが、最後にお客様に届く部分をどう最適化、改善していくかが、ウェルビーイング実現にとって、非常に重要です。

つまり、電力、水、食、医療、防災、交通という暮らしの中で、エネルギー・生活経済・環境を、人に優しいデジタルの力で、ウェルビーイングな社会を創り出し、ラストワンマイルの解決もしていく、ということだと思います。 また、SDGsも、現在の風潮は、ウェルビーイングへと変化しています。 この変化をどう先取りして考えていくかも重要です。

Society5.0では、サイバーフィジカルシステム、サイバーフィジカルDXがあります。フィジカル空間に存在する、もの・こと・テクノロジー・暮らしを計測して、通信でその情報をサイバー空間に送り込みます。サイバーではデジタルツインがあり、上がってきた情報（ビッグデータ）の分析・予測をＡＩが素早く行い、数理データサイエンスでAIが出した結果を人間が見極めます。そして、デザイン、材料、制御を用いて、フィジカル空間へ出力する。これを繰り返して価値を創出することが、サイバーフィジカルシステム、サイバーフィジカルDXの概念です。こういうところは電気電子通信情報がいかんなく発揮できるところであり、計測と制御も活用することで、全体最適解を生み出すことができます。

ただし、ウェルビーイングの観点から考えると、個人の幸せを忘れているのではないか、ということに突き当たります。ここで、先に述べたように、ウェルビーイングの概念をSDGsから派生したものと仮定すると、個人の幸せという解釈もありえますが、どちらかというと社会全体が幸せになったらいいよね、という文脈が強く感じられます。

こういう視点で日本をみていくと、デジタル技術の進展による産業構造の変化や環境問題、ウクライナ問題などに鑑み、いよいよVUCA（変動性・不確実性・複雑性・曖昧性）の時代に突入していると思います。この状況だと、成長どころか従来通りの事業を続ける事すらも難しくなってしまいます。このため、競争力を獲得し持続的な成長を実現できるような、本質的な改革を今すぐ行う必要があります。

情報産業では、WEB1.0からWEB4.0まで躍動し、私自身も渋谷でスタートアップを目指す若い学生などの支援をしていますが、自分で起業し夢に向かって取り組んでいる若者も多くいます。このような中で、どう変革していくかと考えたときに、労働集約型・資本集約型から知識集約型に転換していく必要があると考えます。Society5.0というのは、知恵が価値を生み、「ものづくりの重視」から「ものづくりとことづくりとの共存、共創」へとゲームチェンジしていること、と考えることができます。

若い人たちが知識集約型で社会貢献しようとしている中、ある程度、成熟した会社は、どうやってデジタル革命へとパラダイムシフトしていくべきなのか、というところが問題になります。例えば、これまでの「ものづくり」で成功してきた日本における価値観では、製品、ものが価値の中心でした。これをどう転換していくかと考えるときに、心理学では、サンクコストやコンコルド効果、と呼ばれる考え方があります。今回の例で表現すると、ものづくりへの投資を続ければ、必ず成功するという思い込みとなります。そして、投資額が大きくなればなるほど、元に戻りにくくなり、変化が起こせなくなってしまいます。

ここで、知識集約型に話を戻すと、今までの主客を転換する必要があるということになります。つまり、物から事（情報やサービス）への主客の転換です。データを活用して解決策（ソリューション）を提供していきます。その中で、物をどう組み込むかということです。あくまでも、知識や情報などのサービスが中心という考え方です。だから、スマート産業やAI、ビッグデータの重要性が増してきているのだと思います。これらの流れがSociety5.0でよく言われる「ことづくりへの転換」の文脈に相当します。

しかし、ここ10年、20年の間、日本は、抜本的な社会変革や行動変容を起こせていたのか、ということを、振り返らなければなりません

なぜできなかったのでしょうか。

日本の人口は、2010年には1億3千万人近くでしたが、2100年には4千万人未満になるとの予想も出ています。 今、ここにいる4人に1人しか、日本に存在しないということになります。このような状況の中で、都市や地方の暮らしはどうなっていくのか、どう支えていくのかを、私は今、真剣に考えています。こういう社会背景の下で、変革や行動変容を、どのように起こしていくのか？ということですが、1つの解決策として、先程のウェルビーイングで挙げた、個人が幸せになることで、社会も元気になるというスローガンが思い浮かびます。

日本国内では人口減少が避けられない中、自然に個人がワクワク楽しく感じるようにしないと、より良い社会を築き上げることはできないのではないか、と考えます。個人や地域、産業、国、世界をどうまとめていくかで、DX（デジタルトランスフォーメーション）があるのではないかと思います。また、その中でデジタルツインが存在し、人に優しいデジタル化を進めながら、ものづくり と くらしづくりにどうつなげていくかを考えていくと、先程のトリレンマやウェルビーイング、Society6.0、ラストワンマイルという概念が、解決の糸口ではないかと考えます。

つまり、人にやさしいデジタルの力を駆使できれば、個人が幸せになるのではないか、という仮説が立てられると思います。例えば、視聴率に関しては、以前は何万人の母集団の中から無作為に数名選んで採取していましたが、現在は個人視聴率が表示できるようになりました。スマートフォンの普及かつデジタル化の進展により、個人に特化したサービスを提供できるようになります。そうなると、個人にとって、心理的にも身体的にも社会的にも、新たな幸せの形を作れるのではないか、と考えることができます。この例に沿って、人間の社会変革や行動変容を起こしていくために、個人が幸せである、ということを条件に考えていくと、個人最適化、つまり、利己主義が原点ではないか、という問いが立てられます。

もう1つは、SDGsの文脈では、倫理観や我慢、使命感が先行しがちでしたが、それらを住民に課しても、今まで社会変革や行動変容を行いしきれなかった、という現実があります。やはり、人にやさしいデジタルの力で、これらの解決はできないでしょうか。本来、DXというのはデジタル化という意味ではなく、デジタルの力で行動変容すること、意識を変えることと定義されています。

このように考えると、デジタルの力をどうとらえるか、ということになります。個人が幸せになるということは、結局、利己主義になることではないでしょうか。自分のことだけ考えれば良いのではないでしょうか。

例えば、暑いからエアコンをつけて、私が幸せになるのだから電気をたくさん使っていいじゃないか、となります。 このような利己主義がはびこると、みんなが最適になるために電気を分けてあげよう、電気に困っている人のことも考えて節電しよう、という気持ちにはならないでしょう。

ここで、利己主義と利他主義の相関関係を表す図を見ますと、いわゆる利己主義（個別最適化）されるということは、自分・家族・友人の範囲内で甘えていることとなり、自分のわがままを聞いてくれる、守ってくれる範囲となります。一方、他人や街とか国のスケールでの最適化を考えることは、利他主義（全体最適化）となります。

日本というのはどちらかというと、倫理的で同調圧力も大きく、利他主義な教育を受けてきたと思います。 これは、一生懸命、誰かが儲けても、災害で全部なくなってしまう、というような歴史的な面もあり、だからこそ、「和」を非常に大事にする文化であるから、ということかもしれません。一方で、本当に人間は、そもそもやはり甘えたいし、利己主義的な感情もあります。この二つが、結局は、個別最適化と全体最適化に当たるのではないでしょうか。

個別最適化でありながらも、全体最適化を実現することはできないのでしょうか。

この課題を、マズローの欲求5段階説で説明してみます。子供は生まれてから、生理的欲求や安全欲求、社会的欲求、承認欲求があります。人間というのは、誰しも利己主義的な部分を持っています。そして、大人へと成長するに伴い、街全体や人間社会を見渡して、それらの全体最適化を考えようとする、自己実現、自己超越の段階へと向かっていきます。しかし、自己実現以上の段階まで到達できる人は、100人に１人とも言われます。

電力の話で考えると、みんなが利己主義であるが、電力需給がひっ迫した時は、皆さんが利他主義であってほしい、ということだと思います。この行動変容を、どのようにすればスムーズで効果的に行うことができるのでしょうか。

つまり、個別最適解と全体最適解を上手く共存させて、価値を生み出していきたい。そのためには、気付かれない気遣いや、ものや街が、人の行動を予知して先回りする、そんな世界を作っていくことができればと考えます。こうやって、折り合いをつけていくことが必要だと考えています。

サイバー空間とフィジカル空間の中で、色々なネットワークからビッグデータを取ってきて、ウェルビーイングを実現していこうとか、センサーやモノが至る所にあって、それらから得た情報をVPPやデジタルツインやブロックチェーンを通して、全体最適化してイノベーションを起こそうということを考えています。

本当にこのような世界にしていくためには、人間をどのように行動変容させていくかが重要となります。

現状でも、デマンドレスポンスという手段がありますが、行動変容を起こしていくにはどうしたらいいのでしょうか。

やはり、社会というものは、個人が幸せであるという前提で成り立っていてほしいと考えます。例えば、配達員が、その家には誰もいないのに、何回も何回も届けに来る状況は、誰も幸せではありません。そこではエネルギーも使いますし、不在票を何度も入れることで受け手が不愉快に思ったり、連絡が面倒に思うことがあるかもしれません。このラストワンマイルをどうしていくか。ドローンで解決するのか、電気自動車を使うのか、様々なサービスで対応するのか、ということになります。

City as a Serviceの考え方でいくと、単に電流・電圧の波形や天気予報をみるだけではなく、SNSのトレンドや鉄道・道路などの交通情報、 購買状況、人流のデータを全部集めて、色々な社会のサービスに活かしていく。 このように、街全体の動きを可視化しながら、個別最適解を実現しながら全体最適化を進めていく。

ここまで来るとsociety5.0は、データを取ってきて、分析して、価値を作っていく、ということをぐるぐる回していくことであることが理解できると思います。しかし、今までの概念では、高効率で環境に良くて、便利で快適であることにばかり目を向けていて、人が幸せになるため、という考えが抜けているのではないでしょうか。もう1つは、1次産業から３次産業まで、いろいろな工程でエネルギーを使っているということを再認識すべきと思います。例えば、今食べているマグロは、冷凍庫で2年間保存されたものかもしれません。フライドチキンを頂くにしても餌から加工までに電力が使われています。このように、いかに全産業からデータを集めてきた上で、エネルギー問題に対処するかが問われているのではないでしょうか。

そうなってくると、今までの電力需給とか、人に発電量を合わせるか、またはその逆で発電量に人があわせるか、ということが必要となってきます。もちろん、再生可能エネルギーも無駄なく活用したいというモチベーションもあります。しかし、発電量に対して、住民を上手く行動変容しながら、個人最適化を重視した電力調整もできないと、電力系統全体の需給調整は今後 難しくなっていくことでしょう。

結局、人の行動変容をどう促していくのか、ということを解決しなければなりません。

それ以外にも、AIでビッグデータを解析して雷の前兆が来れば、落雷よりも先に系統内の電力設備を保護する、といったことにも、デジタル技術をもっと活用すべきと考えます。

これまでの話で、デジタルツインは一つのキーファクターになることが、ご理解いただけたと思います。現実世界から収集したデータから解析した結果に基づいて、住民にインセンティブを与えて行動変容を促していくか、あるいは、抑制していくのかを、これから考えていかなければなりません。もちろん、昔のTwitterで行われていたような情報操作をすることは、倫理的に問題ですので、注意しなければなりません。

本日は、街を予測して先回りすることで、最適なサービスを実現できるのではないか、ということを述べました。

もう少し、具体的なお話をすると、例えば、鉄道。

今、特急が来たとします。隣のホームには各駅停車の電車が停まっています。特急よりも武蔵小杉駅から渋谷駅まで10分、余計にかかります。この場合、大抵、多くの人が特急に乗っていきます。そうすると、各駅停車の電車は、無駄なエネルギーを使ってしまう。各停の方が空いていて快適なのに、たった10分しか変わらないのに、人の行動を変えることは、なかなかできません。先程のようなCity as a Serviceの概念と、10分くらいの追加所要時間が許容範囲以内だという前提で解決策を考えてみたい。例えば、各駅停車に乗車頂いたお客様に、コーヒーをプレゼントし、またオフピーク時間帯に乗車した方への運賃の値下げを行う、といった取り組みもされています。しかし、なかなか効果が上がらないようです。

どうしたら、人の行動変容につながるのでしょうか。デジタルの力を駆使して、乗客を誘導できれば、乗客を分散させ、全列車の乗車率を均等化させることはできないでしょうか。そうすれば、乗客個人の快適性の向上（個人最適化）と、鉄道会社が運行させている電車のエネルギー配分の効率化（全体最適化）が実現できるのではないでしょうか。また、1次産業から3次産業までの全てをデジタル化することで、エコシステムを上手く構築し、エネルギー使用量の削減（最適化）を図るという考えもできるでしょう。

例えば、フードロスはなぜ生じるのでしょうか。

フードロス削減の施策は、以前から考案され続けてきましたが、情報の戦略的共有と実践、が問題となっていました。今までは飼料を与えながら、決まった羽数の鶏を育て、充分に育ったら加工して客へと運搬していました。 しかし、住民がみんな帰省していたとしたら、多くの鶏肉が客の手元に渡らずに、廃棄処分しなくてはならなくなります。本来は、生産側と運搬側が時期によって、街からの鶏肉の需要が変わることを見極めないといけないのですが、確かめることができませんでした。これをしっかりとデータをCity as a Serviceの手法で全部集約することで、社会の最適化と個人の活力に対する鶏肉の提供の最適化が図ることができます。

2つ目の例としては、なぜ、使われない車が、大量に駐車場にあるのでしょうか？

自家用車は、実は95％の時間を駐車場で待機しています。ここでは、大量生産と大量廃車の問題があるのではないでしょうか。同じ自家用車でも別の視点で見ると、契約していない人がその駐車場の近くを通った時に、自動車を使いたいのに自分の所有ではないから、とガッカリしてしまう場合も考えられます。また、不在なのに配達をしているトラックと、駐車してばかりの自家用車があるというのも、矛盾をはらんでいます。これらの無駄をライドシェアで解決し、再配達を減らしていくこともできるかもしれない。

あるいは、遠くに行きたいけど、渋滞だし、運転も大変です。目的地の近くまでは、高速道路や国道などに電車の線路を引き、電気自動車がトロリ線から給電しながら走り、ラストワンマイルは、バッテリーによる電気自動車や水素自動車で走ることを考えています。もちろん、既存の鉄道網の有効活用もできます。さらには、自動運転と鉄道の融合を図ることもできます。

このような考えは、放送と通信が一体化していったように、異分野を融合させることは、ウェルビーイングやラストワンマイルの切り札になると考えます。こういった方法でエコシステムを実現し、かつ 情報を逐一収集・分析・出力・フィードバックしていくことで、個人もウェルビーイングで社会全体の最適解を導き出せるのではないでしょうか。その上で、エネルギー、環境、生活経済のトリレンマから、どうやって最適解を求めるべきでしょうか。DXを駆使していくのがカギですが、ただ闇雲に駆使しても意味がないと考えます。それに加えて、人の行動変容を促しながら、電力需給のバランスも考えていければ、エネルギー問題も解決できると思います。

個人が幸せだと自然に思えるようになることが、トリレンマ問題で一番重要なことだと思います。それを経て、全体最適解が導き出されるべきではないでしょうか。

各種学会でも文理融合や異分野融合の人材の育成に取り組み始めています。一方通行の座学や実験をして終わりではなく、グループワークを含めて文理関係なくプログラミングなどの情報技術や情報処理手段の体験、実践をしながら、DXについて、ウェルビーイングについて考えていくことが大切です。

いかに社会変容・行動変容を起こしていくか。そして、ひと・ものが繋がり合って、くらし・エネルギーが密接に連携しながら、ラストワンマイルをどうやって解決していくのか。

個別最適化とは利己主義で、わがままで、自分が快適で、ワクワク、楽しくしたい。しかし、エネルギー不足が深刻な中、全体最適化(利他主義)であることも必要です。

そうはいっても、自分が我慢するのではなく、自分もハッピー、ウェルビーイングだけど、意識しないうちに社会全体も最適化されている、ということが大切だと思います。そのためには気づかれない気遣い、ものや街が、人の行動を予知して先回りする世界、これをサイバーフィジカルDXと私は呼んでいますが、こういう世界を作っていきたい。

さらには、1次産業から3次産業までを可視化しながら、デジタル化されたエコシステムを構築していきたい。こうすることで、エネルギーの総量を見ながら、今そして将来何が起こるのかを見極めることができます。

ものを独りぼっちにしない。ものを輝せるためにつないでいく。気づかれない気遣いも必要だし、ボーダーを越えていくということも必要です。未来の暮らしのために個別最適化と全体最適化を図っていくことは、いわゆる利己主義と利他主義の狭間にあって、どちらが良い悪いではありません。それよりも、これらをどうやって、理工学や情報の力と心理学や経済・社会とを連携しながら、上手くウェルビーイングな社会を考えていくのかを考えていきたいと考えます。ただの「ものづくり」だけでなく「ことづくり」を考えながら、社会変容していくことが重要です。その手法が見つかれば、我々の得意な計測・通信・制御でつなげていく。そして、ウェルビーイング、Society6.0を奏でていこうと考えています。

ワクワクして楽しいがキーワードです。そうでなければ、個人が幸せでなければ、我々の世界は楽しくありませんし、元気になりません。それは人口が減少していく上で、ストレスフリーな社会でありながらも、エネルギー問題、環境問題が解決され、生活経済がうまく回っていくことが必要ではないでしょうか。このような考えを実践、実現していくためには、ブルーオーシャンにどんどん飛び込んでいかないとと思っています。

人の上に立つのではなく、人の前に出る人間に。

自ら学び、どんどん挑戦できる人材、新しいウェルビーイングな社会を切り拓き、社会を変革するリーダー、イノベーターを育てていきたいと思います。

皆様が新しい挑戦をし、社会を変革していくリーダー、イノベーターになり、活躍されることを、楽しみにしております。

ありがとうございました。

Overall optimization and individual optimization of “people, things, life, and energy” for building a well-being society played by Society 6.0

How’s it going!

Thank you always for coming and watching the Good Answer Lecture for your Well-being.

In the era of 100-year lifespans, there are various milestones in life, changes in life, changes in values, and changes in society.

In the midst of these changes, it is necessary to move forward brightly and positively with a smile without fear of change.

Supporting and appreciating others is very important.

It is also important to take care of yourself and love yourself.

Yes. When individuals are happy and Well-being, society is healthy and Well-being!

In this channel, we aim to build a Well-being society, and we will deliver notes and magic words to make you healthy, happy and Well-being, and to make your family, friends and society as a whole healthy, happy and Well-being.

Now, let’s move on to today’s lecture, notes and magic words.

Today, I would like to talk about the overall optimization and individual optimization of “people, things, life, and energy” for building a well-being society that Society 6.0 plays.

I am conducting research for cities, towns, and living. Among them, this time society 6.0, well-being, people, things, life, and energy. I would like to talk about how to apply this to cities and lifestyles, and how to achieve overall optimization and individual optimization.

Currently, I am thinking about how to solve the so-called trilemma problem of energy, environment, and living economy. In thinking about this, I think we should do DX, GX, and SX, but more specific targets are electric power, water, food, medical care, disaster prevention, and transportation, which are optimized with the power of human-friendly digital technology. I think it’s about transforming. Another issue is the last mile. As with home delivery, power distribution, railroads, and electric vehicles, it is extremely important to optimize and improve the part that reaches the customer in the end to realize well-being.

In other words, in our daily lives such as electricity, water, food, medical care, disaster prevention, and transportation, we will create a well-being society with the power of human-friendly digital technology for energy, living economy, and the environment, and also solve the last mile. I think that’s what it means. Also, the current trend of SDGs is changing to well-being. It is also important to consider how to anticipate these changes.

Society 5.0 has a cyber-physical system and cyber-physical DX. It measures things, things, technologies, and lifestyles that exist in physical space, and sends that information to cyberspace through communication. In cyber, there is a digital twin, AI quickly analyzes and predicts the information (big data) that comes up, and humans assess the results produced by AI using mathematical data science. Then, using design, materials, and control, it is output to the physical space. Repeating this process to create value is the concept of cyber-physical systems and cyber-physical DX. This is where electrical and electronic communication information can be fully utilized, and by utilizing measurement and control, it is possible to create an overall optimal solution. However, when we think about it from a well-being perspective, we come to the realization that we may be forgetting about personal happiness. Here, as I mentioned earlier, if we assume that the concept of well-being is derived from the SDGs, it can be interpreted as individual happiness, but the context is that it would be nice if society as a whole would be happy. is strongly felt.

Looking at Japan from this perspective, we are finally entering an era of VUCA (Variability, Uncertainty, Complexity, and Ambiguity) due to changes in the industrial structure due to the advancement of digital technology, environmental problems, and problems in Ukraine. I think that there.

In this situation, it will be difficult to continue business as usual, let alone grow. Therefore, we need to make fundamental changes now that will enable us to gain a competitive edge and achieve sustainable growth.

The information industry is moving from WEB 1.0 to WEB 4.0, and I myself support young students who aim to start up businesses in Shibuya. .

Given this situation, when we think about how we should change, we believe that we need to shift from a labor- and capital-intensive model to a knowledge-intensive model. Society 5.0 can be thought of as a game change from “emphasis on manufacturing” to “coexistence and co-creation between manufacturing and craftsmanship” as wisdom creates value.

While young people are trying to contribute to society in a knowledge-intensive manner, the question is how companies that have matured to some extent should make a paradigm shift toward the digital revolution.

For example, in the sense of values in Japan that has been successful in “manufacturing” so far, products and things have been the center of value. When thinking about how to transform this

In psychology, there is a concept called the sunk cost or the Concorde effect. To express it in this example, if you continue to invest in manufacturing, you will definitely succeed. And the larger the investment amount, the more difficult it is to return to the original and the more difficult it is to make changes.

Here, returning to the knowledge-intensive type, it means that it is necessary to change the main customer so far. In other words, it is a transformation of the subject from things to things (information and services). We will use data to provide solutions. It is about how to incorporate things into it. The idea is that services such as knowledge and information are the core. That’s why I think the importance of smart industry, AI, and big data is increasing. These trends correspond to the context of “conversion to manufacturing,” which is often said in Society 5.0.

However, over the past 10 or 20 years, we must reflect on whether Japan has been able to bring about drastic social and behavioral changes.

Why was it not possible?

Japan’s population was close to 130 million in 2010, but is expected to fall below 40 million by 2100. This means that only one out of every four people here today does not exist in Japan. Under these circumstances, I am seriously thinking about how life in cities and rural areas will change and how we will support them.

Under such a social background, how do we bring about change and behavioral change? That is,

As one solution, I can think of the slogan I mentioned in the topic of well-being, that if individuals become happy, society will also become healthy. As the population decline is inevitable in Japan, I believe that we cannot build a better society unless we naturally make individuals feel excited and happy. I believe that DX (digital transformation) depends on how individuals, regions, industries, countries, and the world are brought together. In addition, there is a digital twin in it, and while thinking about how to connect manufacturing and his lifestyle while promoting human-friendly digitization, the trilemma I mentioned earlier, well-being, Society 6.0, and the last I think the concept of one mile is the clue to the solution.

In other words, I think we can hypothesize that individuals will become happier if they can make full use of the power of digital technology that is friendly to people. For example, in the past, viewer ratings were collected by randomly selecting a few people from a population of tens of thousands of people, but now it is possible to display individual viewer ratings. With the spread of smartphones and progress in digitization, it will be possible to provide personalized services. In that case, we can think that we can create a new form of happiness for individuals, psychologically, physically, and socially.

In line with this example, considering that individuals are happy in order to bring about human social change and behavioral change, individual optimization, that is, selfishness, is the starting point. The question is raised.

The other is that in the context of the SDGs, ethics, perseverance, and a sense of mission tend to take precedence, but even if we impose them on residents, we have not been able to achieve social reforms and behavioral changes. there is.

After all, isn’t it possible to solve these problems with the power of human-friendly digital technology? Originally, DX does not mean digitalization, but is defined as changing behavior and changing consciousness with the power of digital.

Thinking in this way, it comes down to how we perceive the power of digital. For an individual to be happy, in the end, isn’t it to become selfish? Maybe I should just think about myself. For example, it’s hot, so I turn on the air conditioner, and I’m happy, so I’m going to use a lot of electricity. When selfishness like this prevails, people will not feel like sharing electricity for everyone’s best, or thinking about saving electricity for those who are in need of electricity.

Here, looking at the chart showing the correlation between selfishness and altruism, being so-called selfish (individual optimization) means that you are dependent on yourself, your family, and your friends. It will be a range that listens to selfishness and protects. On the other hand, thinking about optimization on the scale of other people, towns, or countries is altruism (total optimization).

If anything, Japan is ethical, there is a lot of pressure to conform, and I think that I have received an altruistic education. This may be because of the historical aspect that even if someone works hard and makes a profit, it will all be lost in a disaster. yeah.

On the other hand, humans really want to be spoiled in the first place, and they also have selfish feelings. In the end, I think these two are the individual optimization and the global optimization.

Is it possible to realize global optimization even though it is individual optimization?

I will explain this problem using Maslow’s hierarchy of needs. From birth, children have physiological needs, safety needs, social needs, and esteem needs. All humans have a selfish side. Then, as they grow into adults, they will look over the entire city and human society and move toward the stage of self-actualization and self-transcendence, in which they try to think about overall optimization. However, it is said that only 1 in 100 people reach the stage of self-actualization or higher.

In the case of electricity, everyone is selfish, but when the supply and demand for electricity is tight, I hope everyone will be altruistic. How can this behavior change be implemented smoothly and effectively?

In other words, we want to create value by coexisting individual optimal solutions and global optimal solutions. To that end, I think it would be great if we could create a world in which things and towns anticipate and anticipate people’s actions, such as care that goes unnoticed.

I think it is necessary to make compromises in this way.

In cyber space and physical space, we can collect big data from various networks and realize well-being.

Sensors and things are everywhere, and I’m thinking about optimizing the entirety of the information obtained from them through VPP, digital twins, and blockchain to bring about innovation.

In order to truly create such a world, it is important to find out how to change human behavior.

Even in the current situation, there is a means of demand response, but what should we do to bring about behavioral change?

After all, I think that society should be built on the premise that individuals are happy.

For example, no one is happy when the delivery person keeps coming to deliver the goods over and over again when no one is at the house.

It takes a lot of energy, and the recipient may feel uncomfortable with the repeated absence votes, and the contact may be troublesome.

How do you go about this last mile? Whether to solve it with a drone, use an electric vehicle, or respond with various services. Based on the concept of City as a Service, rather than simply looking at current/voltage waveforms and weather forecasts, we collect all data on SNS trends, traffic information on railroads and roads, purchasing situations, and people flow, We will use it for social services. In this way, while visualizing the movement of the entire city, we will proceed with overall optimization while realizing individual optimal solutions.

If you have come this far, I think you can understand that society 5.0 is about collecting data, analyzing it, and creating value. However, in the conventional concept, we have focused only on high efficiency, environmental friendliness, convenience, and comfort. Another thing is that we should reaffirm that energy is used in various processes, from primary to tertiary industries. For example, the tuna you are eating may have been in the freezer for two years. Even if you have fried chicken, electricity is used from feeding to processing. In this way, the question is how to deal with the energy problem after collecting data from all industries.

When this happens, it will be necessary to adjust the amount of power generation to match the current supply and demand of electricity, or vice versa. Of course, there is also the motivation to use renewable energy without waste. However, in the future, it will become difficult to adjust the supply and demand of the entire power system unless it is possible to adjust the power supply with an emphasis on individual optimization while skillfully changing the behavior of residents in relation to the amount of power generated.

Ultimately, we have to solve the question of how to encourage people to change their behavior.

In addition to that, I think that digital technology should be used more to analyze big data with AI and protect power equipment in the grid before lightning strikes if there are signs of lightning.

From the discussion so far, I hope you have understood that the digital twin is one of the key factors. Based on the results of analyzing data collected from the real world, we must consider whether to give incentives to residents to encourage or suppress behavioral change. Of course, it’s ethically questionable to manipulate information like it was done on Twitter in the old days, so we have to be careful.

Today, I talked about the possibility of realizing optimal services by predicting and anticipating the city.

To be a little more specific, For example, railway.

Suppose a limited express has just arrived. A local train stops at the next platform. It takes 10 minutes from Musashikosugi station to Shibuya station than the limited express.

In this case, many people usually board the limited express.

Then, trains that stop at every station use wasted energy. Even though each station is more vacant and more comfortable, it’s not easy to change people’s behavior even though there is only 10 minutes of change.

I would like to think about a solution based on the concept of City as a Service as mentioned earlier and the assumption that the additional required time of about 10 minutes is within the allowable range. For example, we offer coffee to customers who board local trains, and discount fares for those who board during off-peak hours. However, it doesn’t seem to be very effective. How can we change people’s behavior?

If we could use the power of digital technology to guide passengers, wouldn’t it be possible to spread them out and equalize the occupancy rates of all trains? By doing so, it will be possible to improve the comfort of individual passengers (individual optimization) and improve the efficiency of energy distribution in trains operated by railway companies (total optimization). Also, by digitizing everything from the primary industry to the tertiary industry, we can build an ecosystem well and reduce (optimize) energy consumption.

For example, why does food loss occur? Measures to reduce food loss have been devised for a long time, but the strategic sharing and implementation of information has been a problem.

Until now, we raised a set number of chickens while feeding them, and when they were sufficiently grown, we processed them and transported them to our customers. However, if all the residents had gone home, many chickens would have to be disposed of without being handed over to the customers.

Originally, the production side and the transportation side would have to ascertain that the demand for chicken from the city changes depending on the season, but I could not confirm it.

By firmly aggregating all of this data using the City as a Service method, it is possible to optimize the provision of chicken for the optimization of society and the vitality of individuals.

As a second example, why are there so many unused cars in parking lots?

Cars are actually waiting in parking lots 95% of the time. Isn’t there a problem of mass production and mass scrapping here?

Looking at the same private car from a different perspective, when a person who does not have a contract passes by the parking lot, they may be disappointed because they do not own the car even though they want to use it. .

In addition, there is a contradiction in the fact that there is a truck that is delivering even though it is not there and a private car that is just parked.

It may be possible to solve these wastes with ride sharing and reduce redeliveries.

Or, you want to go far away, but the traffic is heavy and driving is hard. We are thinking of running trains on highways and national highways until near the destination, with electric vehicles powered by trolley wires. Of course, you can also make effective use of the existing railway network. Furthermore, it is also possible to integrate automated driving and railways. I believe that the fusion of different fields will be a trump card for well-being and the last mile, just as broadcasting and communications have been integrated.

By realizing an ecosystem in this way, and collecting, analyzing, outputting, and feeding back information one by one, I believe that individuals will be able to derive optimal solutions for society as a whole through well-being.

On top of that, how should we find the optimal solution from the trilemma of energy, environment, and living economy? The key is to make full use of DX, but I think there is no point in just making full use of it. In addition to that, if we consider the balance of power supply and demand while encouraging people to change their behavior, I think we can solve the energy problem.

I think the most important thing in the trilemma problem is to naturally think that an individual is happy. Shouldn’t the global optimal solution be derived through this process?

The Institute of Electrical Engineers of Japan is also beginning to work on developing human resources who fuse humanities and sciences and interdisciplinary fields.

Rather than just one-way lectures and experiments, we can think about DX and well-being while experiencing and practicing information technology and information processing methods such as programming, regardless of the humanities and sciences, including group work. It is important.

How can we bring about social change and behavioral change? And how can we solve the last mile by connecting people and things and closely linking life and energy?

Individual optimization is selfish, selfish, and wants to be comfortable, exciting, and fun. However, in the midst of serious energy shortages, total optimization (altruism) is also necessary.

Having said that, I think it is important that we are happy and well-being, but that society as a whole is also being optimized without us being aware of it. To that end, I would like to create a world where things and towns anticipate and anticipate people’s actions without being noticed. I call this Cyber-Physical DX.

Furthermore, we would like to build a digitized ecosystem while visualizing primary to tertiary industries. This way, you can see what will happen now and in the future while looking at the total amount of energy.

“Don’t leave things alone.” We connect things to make them shine. It is necessary to have consideration that goes unnoticed, and it is also necessary to cross borders. Achieving individual optimization and total optimization for the future life lies between so-called selfishness and altruism, and neither is good or bad. Rather, I would like to think about how to think about a well-being society by linking science and technology, the power of information, psychology, economy, and society. It is important to change society while thinking about not only “manufacturing” but also “making things”. If we find a method to do so, we will connect it with our strengths in measurement, communication, and control. And we are thinking about playing well-being and Society 6.0.

“Exciting and fun are the keywords.” Otherwise, if individuals are not happy, our world will not be happy and healthy. As the population declines, it is necessary to create a stress-free society while solving energy and environmental problems so that the living economy can run smoothly. In order to put this kind of thinking into practice and make it a reality, I think we need to jump into the blue ocean more and more.

A person who stands in front of people instead of standing above them.

I would like to develop leaders and innovators who can learn on their own and take on new challenges, carve out a new well-being society, and transform society. We look forward to seeing you take on new challenges and become leaders and innovators who will transform society.

thank you very much.

For your inquisitiveness and curiosity.

For your another sky.

If individuals are happy and Well-being, society will be healthy and Well-being.

Thank you very much for your attention.

That’s all for today’s lecture, notes and magic words.

Today, I talked about the overall optimization and individual optimization of people, manufacturing, and living energy toward building a Well-being society that Society 6.0 will play.

Thank you for watching the magic words video for your Well-being today.

Well, let’s move forward with a smile today.

When individuals become happy and Well-being, society becomes healthy and Well-being!

Take it easy! Don’t warry! Stay calm! No problem at all!

Thank you always for your hard work.

Thank you always for subscribing to this channel and high evaluation.